【離婚すると決めたら】離婚調停の仕方や不倫裁判の流れと判例を紹介

こんにちは、京介です。
妻に不倫をされた方の中でも、離婚を決断した方もいますよね。
いざ離婚を決断したとしても、次に何をすればいいのかと悩む人も多いのではないでしょうか。

もし協議で解決しなかった場合は裁判?と順序を知っておかないと離婚しようにも出来ませんよね。
さて離婚の流れを知ったところで調停、裁判になった場合どのようにこなしていけばいいのかを紹介します。

離婚決断から裁判までの流れ

 

もし離婚を決断した方は協議・調停・裁判など離婚に至るまでの過程を知っておかなくてはなりません。

もし協議離婚が成立すればいいのですが、相手がそれに不満を持って協議で解決しない場合もあります。

弁護士に会って話を聞いたけど、弁護士から内容証明や電話しても無視する人は無視するしすぐに払う人もいるけど必ず払うとは限らないって言われたよ。
どうしても欲しいならすぐ裁判に持ち込んだ方がいいって言われた。それでも支払わなかったら強制執行で差し押さえするって言われた。

だから専業主婦が不倫してもお金ありませんって言えば払わなくて済む。
お金ないから取れないって
ママ★スタジアム

行政書士に内容証明(慰謝料請求など)の作成を依頼し、文書で通知するのも一つの手ですがそれさえ応じない非常識な人もいます。
実はこのように協議に応じなければ弁護士に依頼をして調停や訴訟を行うことも出来ます。

信じていた人を裏切る行為がどれだけ重い罪なのか、相手に知らしめるためにも通知書や協議だけでなく「裁判」という手段は大切なんです。

では離婚という決断から裁判までどのような流れがあるのでしょうか。

  • 協議離婚…夫婦が話し合い、同意して離婚届に著名押印します。養育費や慰謝料の金額なども夫婦で話し合って決めます。不倫相手に慰謝料が発生する場合は内容証明や弁護士を通してことで慰謝料請求額などを通達します。
  • 調停離婚…協議では離婚できないような場合、家庭裁判所に離婚調停を申し立てることが出来ます。調停委員が夫婦の間に入り双方の言い分を聞いて説得などすることで一番良い解決へと導きます。
  • 審判離婚…調停中の夫婦の考えの相違から調停が成立する可能性が低く家庭裁判所が自らの判断をします。審判の告知を受けて2週間以内に異議を申し立てすることで審判の効力が失われます。
  • 裁判離婚…協議離婚・調停離婚でも成立しない場合、夫婦の一方から地方裁判所に訴訟を起こすことが出来ます。基本的には家庭裁判所の離婚の調停が不成立の場合裁判まで持ち込むことが出来ます。判決は強制となります。

このように、離婚を申し立てる時にはある程度の順番があります。
ついつい妻が不倫したことで逆上して、すぐ裁判に持ち込もうと考える人もいるのですがそう簡単にはいきません。
それはそのはず、離婚の約90%は協議離婚が成立しているからで、裁判離婚は約1%となっているんです。

離婚裁判までの流れの一例

引用:©unsplash.com

ではどうやって離婚裁判まで行き着くのでしょうか。
今回はその一例を紹介します。

まずは協議離婚を考え、話し合いの場を設けるために夫や不倫相手へ通達をします。
この時点で不貞の証拠を揃えておき、弁護士に一時的に相談するなどしておきましょう。

通常であれば妻や不倫相手がその通達に応じます。
しかし、妻は不倫相手の家に転がりこんでおり、こちらからの要求を一切無視したとしましょう。

無視された場合、離婚調停に持ち込むことが出来ます。
離婚調停では調停委員を味方につけることが大切です。
離婚したい旨、さらに浮気の証拠などを提示ししっかりと自身の希望を述べましょう。

しかし離婚調停の通達も無視し、決められた日に妻が呼び出しに応じず裁判所に来ませんでした。
妻が無断欠席した場合は離婚調停が不成立になり終了してしまいます。
よって申立人は離婚裁判の提起が出来るようになります。
離婚調停や裁判では話し方が重要になってくるので事前に弁護士に依頼しておくことをおすすめします。

こうすることで離婚裁判をすることになります。
この場合協議のみで相手が慰謝料や養育費、財産分与などに合意するのであればそれに応じましょう。

それではそれぞれの離婚方法を具体的に詳しく見ていきましょう!

まずは協議離婚で話し合いを

協議離婚では主に

これらのことについて話し合う必要があります。
協議離婚で話し合いをしてお互いに合意したとしてもそれを守らない場合もあります。
協議離婚が成立したならば一旦「離婚協議書」に協議のうち合意した内容をまとめておきましょう。
この誓約書はいざという時の証拠にもなります。
離婚協議書が必要な理由はこちら

しかしこの離婚協議書は私文書のため、法的効力がありません。
つまり、請求したものを強制することができないんです!!

そのため離婚協議書は公正証書化をしておきましょう。
公正証書は公文書のため、強制執行ができる場合があります。
くわしくは公正証書の作り方をご覧ください

離婚協議書の書き方

                       離婚協議書

第1条
○○○○(以下「甲」という)と、○○○○(以下「乙」という)は、協議により離婚することに合意した。

第2条
甲は乙に対し、財産分与及び慰謝料として金○○○万円の支払義務があることを認め、平成○○年○月から平成○○年○月まで毎月末日限り金○万円ずつ合計○○回の分割にて、乙が指定する預金口座に振込にて支払う。なお、利息は定めない。

第3条
甲と乙は、本契約に定めた以外には相手方に対し、何らの請求をしないことを確認した。

平成○○年○月○日

(甲)
住所:
氏名:

(乙)
住所:
氏名:

参照:行政書士西郡事務所

第一条には離婚前の氏名を書きましょう。
まだ離婚していない状態なので旧姓を書くのはNG。

第二条では、慰謝料が発生する場合は慰謝料について書きましょう。
慰謝料が発生しない場合は書かなくて結構です。
損害賠償の範囲に関してはこちら

財産分与の原則は夫婦2分の1の割合でわけます。
有責配偶者や専業主婦でも基本的に半分となっています。
財産分与について詳しくはこちら

第三条ではお互いが離婚の問題をこれで解決することを取り決める内容が書かれます。
例えば、離婚後何らかの請求をされないため、離婚話題を蒸し返さないための項目となります。

子供がいる場合の離婚協議書の書き方

                      離婚協議書

第1条
○○○○(以下「甲」という)と、○○○○(以下「乙」という)は、協議により離婚することに合意した。

第2条
(1)甲乙間の未成年の子○○○○(平成○○年○月○日生、以下「丙」という。)及び○○○○(平成○○年○月○日生、以下「丁」という。)の親権者を乙と定める。
(2)乙は丙及び丁の監護者となりそれぞれが成年に達するまで、これを引き取り養育する。

第3条
甲は乙に対し、丙の養育費として、平成○○年○月から丙が成人に達するまで毎月末日限り金○万円を、丁の養育費として、平成○○年○月から丁が成人に達するまで、毎月末日限り金○万円、合計○○万円を乙が指定する預金口座に振込にて支払う。

第4条
甲は乙に対し、財産分与及び慰謝料として金○○○万円の支払義務があることを認め、平成○○年○月から平成○○年○月まで毎月末日限り金○万円ずつ合計○○回の分割にて、乙が指定する預金口座に振込にて支払う。なお、利息は定めない。

第5条
甲の丙及び丁に対する面接交渉については、以下の内容とする。
1.面接は月に○回、○時間、場所は協議の上、決定する。
2.面接時は事前に甲は乙に連絡するものとする。

第6条
甲と乙は、本契約に定めた以外には相手方に対し、何らの請求をしないことを確認した。

平成○○年○月○日

(甲)
住所:
氏名:

(乙)
住所:
氏名:

参照:行政書士西郡事務所

第一条は旧姓ではなく離婚前の氏名を書きましょう。
第二条には子供が未成年の場合のみ書く内容です。
もし子供が20歳以上である場合は親権者を定める必要はありません。

第三条には養育費に関する内容を書きます。
通常は20歳になるまでですが、場合によっては大学を卒業するまでなどと取り決める事が出来ます。

第四条は慰謝料や財産分与について書きます。
慰謝料が発生しない場合は書かなくて結構です。
子供がいる場合も夫婦共通財産の分割は原則半分割となります。

第五条では子供との面会交流に関して書きます。
子供との面会頻度やルールを取り決めます。

第6条では離婚問題を再度蒸し返して離婚後も何らかの請求をせず、ここですべて精算するという旨を書きましょう。

参照:離婚協議書の書き方 サンプル

協議で解決しない場合は離婚調停に

慰謝料や離婚自体に関して話し合いで解決しない場合は離婚調停を申し立てる事が出来ます。

離婚調停では調停委員が互いの話しを聞いた上で一番良い解決方法を提案するというものです。

離婚調停ではいかにして調停委員を味方につけるかが重要などとも言われています。
その為、調停の場合は弁護士に依頼する人も多くなってきます。
どれだけの証拠があり、どのような状況なのかを具体的にかつしっかりと話さなければなりません。

でももし弁護士に依頼しない場合は自分で一から準備しなければなりません。
調停に向けて、または調停ではどのような書類や準備が必要なのでしょうか。

離婚調停申し立てに必要書類

  • 夫婦関係調整申立書
  • 申立人印鑑
  • 申立人の戸籍謄本
  • 相手方の戸籍謄本
  • 年金分割のための情報通知書(年金分割についての調停を含む場合)

離婚調停の申し立てには事前にこれらの必要な書類を揃えなければなりません。
書類の作成や、書類を用意する上でのアドバイスについては行政書士に相談してみてもいいでしょう。

法定離婚事由は必要?

離婚調停においては離婚事由(=離婚に至った原因)は不要なので申立書などに記載する必要はないそうです。
ただ、裁判になった場合は法律が定める法定離婚事由が必要になります。
不倫が原因の離婚の場合は「不貞行為」が原因によるものとされます。

離婚調停を申し立てる方法

どこの家庭裁判所に離婚調停を申し立てれば良いのかというと、相手方の住所地区に申し立てるのが原則です。

ただ、夫婦間で申し立てる家庭裁判所を決めている場合は例外的にあらかじめ決めていた場所で離婚調停を申し立てる事が出来ます。

離婚調停にかかる費用

  • 収入印紙代…1,200円
  • 戸籍謄本取得費用…450円
  • 切手代…800円
  • 住民票取得費用…250円
  • その他[婚姻費用分担請求・財産分与請求・慰謝料請求・養育費請求(子供一人につき)など]…1,200円~

自分で準備する場合の費用はおよそ2,700円~となっています。
裁判をする場合にかかる費用に比べるとかなり安くなってきます。

協議・調停・裁判とありますが徐々に金額があがってくるので、できるなら調停で決着をつけることをおすすめします。

離婚調停期日はどうやって決まるの?

家庭裁判所から初回期日の調整に関して連絡があります。
家庭裁判所と日程を調整した上で第一回調停の期日が決定します。

申し立てから期日の調整をし通知が届くのはおよそ2週間と言われています。

離婚調停期日はどうやって知らせるの?

家庭裁判所から期日が決定すると夫や妻に調停期日呼出状が届きます。
これは普通郵便で届くため、もし同居人などがいる場合は保管しておくようにあらかじめ言っておきましょう。

調停の申し立てから1回目の調停期日はおよそ1ヶ月ほどかかります。
また、家庭裁判所が離婚関係の取扱が多いほど調停期日は遅れるそうです。

実際調停が多い所などでは申し立てから第一回の期日まで1ヶ月から2ヶ月かかることもあります。
すぐに調停が始まるわけではないので呼出状に記載されている期日は忘れないように控えておくようにしましょう。

第一回目調停当日に必要なもの

連絡が合った期日当日には持参しなければならない物があります。

  • 期日通知書
  • 印鑑
  • 身分証明書(免許証やパスポートなど)
  • その他期日通知書に書かれているもの

期日通知書にも持参するものが書かれているので、当日バタバタして準備するのではなくあらかじめ余裕を持って準備しましょう。

家庭裁判所の待合室で待機

調停において無断遅刻や無断欠席は認められません。
余裕を持って家庭裁判所に入るようにしましょう。

家庭裁判所では待合室で待機します。
調停に呼び出される期日は夫婦同日に呼び出されますが待合室は別室になります。
もし顔を合わせると口論になったり気まずくなる場合は早めに向かっておくと鉢合わせる心配もありません。

また、帰りのタイミングも裁判所に言えば、申立人と相手の変える時間をずらすなど調整してくれます。

第一回の調停時間は2~3時間程度

調停室では申立人が先に呼ばれます。
室内には裁判官1名、調停委員2名(基本的に男女1名ずつ)がいます。

裁判官により調停の進め方など調停についての説明があります。
その後離婚調停を申し立てた経緯について調停委員と話をします。
その後待合室に戻ります。

その後同様に相手も呼ばれ、相手の主張を聞いた上で申立人の主張を伝えます。
こちらもおよそ30分程度の調停時間となります。

それから再度申立人が調停室に呼ばれて調停委員から相手の主張を伝えられます。
主に調停委員が質問をしてくるので申立人はそれについて回答しましょう。

その後相手が同様に再度調停室に入ります。

このように2回ずつ交互に調停に入り裁判官と調停委員と話をして第一回の調停は終了します。
終了時には場合によって2回目に必要な書類を言われる事があります。

第二回目以降の調停

2回目以降の調停は1回目の調停から約1ヶ月後に組まれます。
期間自体は決まっておらず、1回目同様家庭裁判所の忙しさにもよります。

2回目以降の流れも1回目とは然程変わらず進みます。
2回でも話がまとまらない場合は3回目の期日を組まれます。
調停の回数は決まっておらず、期間の相場はおよそ6ヶ月と言われており、もし調停でも解決しない場合は審判もしくは裁判へ持ち越されます。

再度夫婦で話し合う事も出来ますがおおよそ離婚裁判となります。
離婚審判は夫婦が離婚に合意しているものの、ちょっとした内容の食い違い(慰謝料の支払いや親権など)によりやむを得ず調停が不成立になった時などに手続きをすることがあります。

しかし審判への移行は裁判所が認めるものであり、こちらが審判の手続きをしたいとして出来るものではないためかなり例外的なケースとなります。

調停にいけなくなった場合

期日通知書に書かれている担当書記官に連絡しましょう。
期日通知書に書かれている事件番号を伝えるとどの案件かが伝わります。

また、申立人が欠席することに関しての調停委員や相手への連絡は裁判所が対応してくれるため安心してください。

調停を取り下げたい場合

離婚調停を取り下げることも出来ます。
調停を申し立てた側が取下書を裁判所に提出することで調停が終了します。
取り下げに関しては相手への同意は不要で、申立人であれば調停を取り下げることができます。

参照:ベリーベスト法律事務所

離婚調停不成立で調停不倫裁判になった場合

不倫裁判ではほぼ弁護士に依頼する人が多いとされています。
無理せずに弁護士と相談しながら裁判に向けて準備しましょう。
裁判費用と弁護士費用に関してはこちらの記事でも紹介しています。

ここでは不倫慰謝料裁判についての基本的な流れの解説をしていきます。

どこの裁判所に訴訟提起すればいいの?

裁判所は自分の住所地を管轄する裁判所や相手の住所地を管轄する裁判所のいずれかになります。
さらに訴訟を提起できる裁判所は地方裁判所と簡易裁判所があります。

実は慰謝料請求額によってどちらの裁判所に訴訟するかが決まるんです。
請求金額が140万以上の場合は地方裁判所に、140万未満の場合は簡易裁判所に訴訟提起をしましょう。

裁判にかかる必要な費用

裁判手数料

不倫裁判(民事訴訟)をする場合は手数料がかかります。
手数料の金額は不倫相手やシタ妻に請求する金額によって変わってきます。

訴訟の目的の価額に応じて,次に定めるところにより算出して得た額

  • 訴訟の目的の価額が100万円までの部分その価額10万円までごとに1000円
  • 訴訟の目的の価額が100万円を超え500万円までの部分その価額20万円までごとに1000円
  • 訴訟の目的の価額が500万円を超え1000万円までの部分
    その価額50万円までごとに2000円
  • 訴訟の目的の価額が1000万円を超え10億円までの部分
    その価額100万円までごとに3000円
  • 訴訟の目的の価額が10億円を超え50億円までの部分その価額500万円までごとに1万円
  • 訴訟の目的の価額が50億円を超える部分その価額1000万円までごとに1万円

民事訴訟費用などに関する法律別表第1

こちらは反訴をのぞく訴えの提起をした際に発生する手数料です。
つまり300万円請求する場合の手数料は

【100万円までの部分が(1000×10)】+【500万までの部分が(1000×10)】=2万円

となります。

計算が難しいという方はこちらの早見表を参考にご覧ください。

郵便料の予納

裁判に訴状を提出する場合は手数料と同時に郵便料の予納を求められます。
裁判所から訴状などを原告や被告に郵送する郵便料をあらかじめ予納しなければなりません。

切手を予納する場合もあるのですが、東京地方裁判所では現金で予納できて郵便料が残った場合はあらかじめ指定された口座に還付を受ける事が出来ます。

東京地方裁判所での郵便料の予納金額は原告、被告がそれぞれ1名の場合は6,000円(郵便切手の場合は6740円)。
当事者が1名増すごとに2,000円(郵便切手の場合は2150円)ずつ加算されます。
ちなみに原告が複数人であったとしても共通の代理人がいる場合は加算されないそうです。

弁護士費用

調停や裁判まで持ち込む場合は弁護士に依頼しましょう。
裁判では心理戦とも言われていますし、相手がもし弁護士を立ててしまい自分は何もしなかった場合、裁判に負けて慰謝料が請求できなくなるなんてことになりかねません。

弁護士費用はその状況によっては何十万単位の金額が動きます。
また事務所によっては着手金・報酬金・手数料・時間制報酬・実費・日当・相談料などかかってくる費用や料金システムが異なり、報酬金は獲得した賠償金の◯◯%と決めているところもあるため、明確な金額は一度弁護士と相談してみないとはっきりとは言えません。

最も一般的な料金システムとして知られているのは

着手金+報酬金+実費(+日当)=弁護士費用

もし明確な金額が提示されない場合はきちんと弁護士と交渉して金額を明瞭にしておく必要があります。

訴状と証拠の提出

訴状提起をするために「訴状」という書面をつくり、裁判所に提出する必要があります。
訴状には不倫の具体的な内容、それによって婚姻生活にどのような影響をあたえたのか、破壊されたのか、それに対してどのくらいの慰謝料を求めるのかを記載します。
さらに訴状に書いてある主張を裏付ける証拠も同時に提出しておくのが一般的です。

裁判所がこれらの訴状を受理することで相手に裁判に関する内容が郵送されます。
この郵送には特別送達(特送)という方法で送られ、普通郵便では配達されません。

一方被告(慰謝料を請求された側)は送られてきた呼び出し状に第一回目の裁判や日時、場所(法定番号)などの他に答弁書の提出期限などが記載された書類が送られてきます。
この答弁書は被告の言い分を主張するための書面で、主張を裏付ける証拠がある場合は同時に提出されます。

 

不倫裁判の流れと裁判期間

裁判は通常1回では行われず、次回の裁判までは1ヶ月前後の間隔が空きます。
そのため裁判をすればすぐに解決、というわけでなく場合によっては半年~1年以上の期間がかかる場合もあります。

裁判では訴状や答弁書の他に「準備書面」にて訴状で提出された書面にさらに追加する主張相手への反論をしていきます。
それに対して裏付ける証拠がある場合には追加で提出していきます。
裁判はその繰り返しになります。

判決の言い渡し

裁判所が原告の請求を認めるべきかが判断出来る段階になると、裁判所による判決の言い渡しがされます。
これにより裁判は終了となります。

判決の言い渡しは書面として原告・被告双方に届けられ、いくら支払うのかという結論とその理由が記載されています。

慰謝料を支払う必要がないと判断された場合は「原告の請求を棄却する」という判決になるそうです。

不服申し立て手続きや判決の確定

言い渡された判決に納得が行かない場合は判決書を受け取ってから2週間以内に控訴の手続きを取ることができます。
これは原告・被告問わず控訴をすることができます。

判決書が届いてから2週間、双方から控訴がされない場合は判決が確定されます。

裁判上の和解

必ずしも裁判の結論が判決の言い渡しというわけではありません。
しかも大多数の不倫慰謝料裁判では「裁判上の和解」で終わっているんです。

裁判上の和解というのは、裁判所が双方の間に入って示談すること。
示談書に相当する和解調書を裁判所が作成してくれます。

和解調書は慰謝料の金額から支払時期、支払い方法、示談成立後の内容と同等のことが記載されています。
この裁判上の和解で作成される和解調書は慰謝料の支払いがされない場合強制執行をすることが出来ます。

強制執行

裁判の強みというところでしょうか。
裁判での判決で慰謝料が認められた場合、判決どおりに慰謝料請求がなされます。
もし支払わない場合は強制執行にて財産や給与などの収入を差し押さえをすること出来ます。
別途裁判手続きは必要になりますが、これは裁判上の和解にて作成される和解調書でも有効です。

裁判外の示談では公正証書でも作成しないかぎり強制執行までは出来ませんが、判決や和解調書によって強制的に支払いを促す事が出来ます。

不倫裁判例

さて、裁判の流れについて一通りわかった所で今まで実際どのような不倫裁判が行われて来たのでしょうか。
過去に行われた不倫裁判にはどのような判例があるのでしょうか。

今回はとある判例を要約して紹介します。

  • 原告=裁判を訴訟した側
  • 被告=訴訟の相手
  • 上告人=判決に対して控訴した側
  • 被上告人=控訴の相手

※上告人が必ずしも原告とは限らない

「離婚請求」-昭和42(オ)210

上告代理人小野実の上告理由について。
自ら不貞行為によって婚姻関係の破錠を招いた配偶者が其の破錠を理由として離婚の請求をすることが許されないことは、当裁判所の判例とするところである。((昭和二四年(オ)第一八七号、同二七年二月一九日第三小法廷判決、民集六
巻二号一一〇頁、同二九年(オ)第一一六号、同年一一月五日第二小法廷判決、民
集八巻一一号二〇二三頁、同二七年(オ)第一九六号、同二九年一二月一四日第三
小法廷判決、民集八巻一二号二一四三頁等)。)

夫婦関係にある上告人と被上告人が両親の反対を押し切って昭和28年に婚姻。
その後一女を挙げて昭和30年頃までは親子3人円満だったところ、被上告人の両親との同居が問題(被上告人の両親からの冷遇など)となり上告人は同居に不満を抱く。

被上告人は上告人を長女とともに実家に帰してさらに別離上を送りつける。
上告人はこれに対して同月中頃に同居請求の調停を申し立てるが、そこで被上告人は離婚請求の調停を申し立てるなどをした。
しかし全て不調に終わり、その後被上告人は上告人である母子を顧みぬまま同年8月頃から両親宅においてDと情交関係に入り、翌31年3月Dとの間に一子もうけ、さらにその後二子もうけて事実上婚姻関係を継続

しかし昭和40年7月Dが死亡。

翌41年5月、次はEとの事実上の婚姻をし、さらに現在もなおEと同棲中である。

このように被上告人が上告人との婚姻関係中Dらと事実上の婚姻関係に入ったことはもとより不貞の評価を免れる事はできない
それ以前に上告人との間の婚姻関係が決定的に破綻していたとするのでない限りとは言え、現実的に破綻するに至った原因は被上告人のした重婚的内縁に当たるものと認めるのが相当。

原審認定の事実関係のもとにおいては、被上告人がDとの事実上の婚姻関係に入る前既に上告人との間の婚姻関係が破綻していたものとすることはできず原審もまたその旨の認定をしてはいない。

原審は被上告人の再度にわたる重婚的内縁を認めながらも上告人との婚姻関係に及ぼした影響の有無に触れることなく原因は主として双方の努力の欠除にあるとして、たやすく被上告人の本訴請求を認容したのは前記判例の種子に照らして審理不尽、理由不備の違法があるものといわなければならない。

このため原判決は破棄を免れない。
よって民訴法407条1項に従い、原判決を破棄した上さらに審理をつくさせるため本件を原審に差し戻すべきとし裁判官全員の一致で主文の通り判決する。

原文:昭和43年5月2日最高裁判所大一小法廷判決破棄差戻 広島高等裁判所

裁判の簡単な内容まとめ

おそらく原告人が被告人に離婚請求で裁判を起こしたところ、婚姻関係の破錠原因は原告人にあらず双方の努力の欠除が問題だったとして広島高等裁判所は離婚の判決を下しました。

しかしその判決に対して被告側が、婚姻破綻の原因に陥ったのは被上告人(=原告)の不貞行為によるものとし、婚姻関係の破綻を招いた配偶者がその破綻を理由として離婚の請求はできないことを理由とし控訴しました。

ややこしいですが簡単にまとめると

  • 被告=上告人=妻
  • 原告=被上告人=夫

で上告人と被告人を「妻」と「夫」に置き換えて解説します。
広島高等裁判所では夫が請求した離婚が判決されましたがこれに対して妻が控訴。
最高裁にまで持ち込んだ所、高等裁判所では重視されなかった「重婚的内縁」に着目。

妻と婚姻関係を続けながらも、夫はDとの間に子供を作り事実上の婚姻関係に、さらにDが死去した翌年にはEと事実上の婚姻関係になり現在同居中という、不貞行為という言葉では収まりきれないようなことをしていますよね。

高等裁判所ではこれらの重婚的内縁が婚姻関係の破綻には関係ないとして判決を出しましたが、最高裁は高等裁判所での判決は重婚的内縁を考慮していなかったとして原審に差し戻すものとして判決を出しています。

つまり、最高裁では重婚的内縁が婚姻関係の破綻に関係していないわけがないのに、適当な理由で離婚の請求を認めるのは理不尽かつ理由に納得ができないからこの裁判はやり直しなさい。

という内容でした。
しかも最高裁の裁判官全員一致での判決ですから、高等裁判所の判決はよっぽど首をかしげるようなものだったのでしょう。
裁判は差し戻しとされて離婚については言及されませんでしたが、これだけ最高裁から釘を刺して言わている以上、結局夫が出した離婚請求は取り下げられそうな気がします。

このように実際に最高裁までいく不倫裁判は簡単なものではなく、かなりややこしいものが多かったりします。
裁判をする場合は1度目の裁判で何ヶ月もかかる上に控訴をされた場合は何年とかかる可能性もあります。

それだけ長期戦になる覚悟が必要ですよね。

参照:不倫慰謝料裁判の流れ

調停も裁判も具体的な証拠が必要

先程の判例を見ても具体的な内容や証拠というものは大事だということが分かりますよね。
主張を裏付ける証拠が薄かったり、主張の仕方を間違えると裁判官の認識がずれてしまいます。

そうすると判例のように高等裁判所では重要なはずの「重婚的内縁関係」がスルーされてしまったりと裁判自体がスムーズに行かず、何年も裁判をくり返す羽目になります。

そうならないためにも相手や裁判官もぐうの根が出ないほどの証拠を集めましょう。
ちなみに素人が集める証拠は、証拠能力が薄いなど判断がつきにくいものになりかねません。

そのため探偵や興信所に依頼するなどして、裁判や調停でも有効な証拠を集めることも重要です。

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